「富岳」製造工場の見学

「富岳」とは「京」の後継のスーパーコンピュータである。「京」といって思いだされるのは、事業仕分けにおける「2位じゃダメなんですか?」発言であるが、その当時はIT業界だけでなくプロマネや様々な講演会で取り上げられていたことが懐かしい。あれから10年以上が経過したにも関わらず、またしてもその時の話題が引き合いに出されるわけであるが、「富岳」について、性能は「京」の100倍を目指すといっているものの、世界一とは言っておらず”使いやすさ”に重点を置いた設計を行っているそうである。計算速度で世界一になることはもちろんインパクトはあるけれども、いつか抜かされるわけだし、それだけがコンピュータの良さを決めるわけではなのはご存じのとおりである。富岳を多くの人に使ってもらって、社会課題の解決といった成果に結びつけることを狙っている点は事業仕分けの一つの功績ともいえるのではないでしょうか。

工場見学の話をすると、訪問したのは石川県かほく市の富士通ITプロダクトさん。地元の石川県で作っているんですね。「京」もここで製造されている。富岳のCPUやCPUを実装する際のコンマ数ミリのはんだボールを見ることができた。CPUアーキテクチャーはARMを採用しているが、ARMは消費電力が小さいという特徴があり、これもまた「富岳」の良さになっている。生産工程はトヨタさんのコンサルを受けて、随所に工夫や取り組みが見られた。また全行程の6,7割が試験にあてられているというお話を聞き、品質を重視している様子がうかがわれた。

製造し、出来上がったラックは神戸の理研さんで設置が進められている。本格稼働は2021年とのことである。

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